絵本作家こばようこ・おだしんいちろうのブログ。
適時更新してます。HPはhttps://dodohee.com です。

残暑お見舞いもうしあげます。
 (文こばようこ)


毎日暑いですね。

子ども達の夏休みもあと僅かです。

宿題はどうなっているのでしょうか。

怖くて聞けません。


見学へ行った会社へのお礼のはがきに描いた絵です。

印刷機。

これが

どおおおおおううんん。

と鎮座していました。

フェラーリが何台も買えるドイツ製印刷機だそうです。

かっこよかったもんな。


手前のオーブンみたいなのは

印刷終わった紙が到着する所です。


たしかですが、最高速度は15,000枚/時。

はい、一分間に何枚印刷できるでしょうか!

・・・小5の娘にこの問題だしてみよう・・・。


2013_08_20

| 14:03 |
印刷所へ見学に行ってきた・最後の巻
 (文こばようこ)

7。

この後、印刷物は製本所へ行き

(ここも見学してみたい・・)

「本」になり

営業さんそのほか沢山の方のお力添えで

各地へと運ばれていきまして


「あなた」に選んでいただくのです。

(あ、よろしくお願い致します「おひるねけん」9月刊行です)


今回の「印刷所見学をブログに書いてみよう」企画、

いかがでしたか?


何気なく手にとっている本は

実はこんなに丁寧な作業から成っていたんですね。


珍しく連日投稿の長いブログを書きました。

あれもこれも重要ポイントだと思ったら

どんどん長くなってしまったのです。

(まだまだ修行が足りないのでしょう)


ですが、私の感じた印刷所での感動が

読んで下さった皆様に少しでも伝っていたら

とても嬉しいです。


拙い文章、連日に渡りおつきあいいただき

ありがとうございました。


教育画劇の編集Kさん、

瞬報社写真印刷(株)さんの

Mさん、Kさんはじめ皆々様

本当にどうもありがとうございました。


2013_08_18


印刷の事を知らなかった方には

ちょっと不親切な点、

プロフェッショナルな方には

訳注つけたくなるような点が

多々あったと思いますが、

参考程度かな、と笑ってゆるしてくださいませ。

| 00:02 |
印刷所へ見学に行ってきた・伍の巻
 (文こばようこ)

6。

そんなこんなで今回最後の工程、

「見返し」のページの印刷です。


「見返し」ページは一色だけ使って印刷するので

カラーで使った全長20M近い印刷機とは別の

印刷機台数の少ない印刷機で刷っていました。


大体の本の見返しは「特色」と言って

CMYKのインクの掛け合わせで作れない

色を使います。

CMYKで色を分解して出すワケではないです。

(それだと印刷機4台は必要)


色見本帳みたいな分厚いカードから色を選んで

「この色でお願いします」って言って

印刷屋さんに出すのです。


で、ここで私は衝撃的な事実を知りました。

てっきり色見本帳通りのインクが全色あって

それを出してきて機械に仕込むのかと思ったら。


色は

その場で職人さんが具合を見ながら

練って作っていました・・・。


良く考えれば、膨大な種類のカードがあるんだから

全色インクが存在するというのはおかしいんですが

デザイン会社勤めの頃から

全然気が付いてませんでした・・・。残念な人です。


前の本の増刷ともなると

その特色はまた1から作るんだそうです。


色を作ると言っても

実際は本当に面倒な作業です。


私も絵を描いている際

広い面積を塗っていて

「絵の具が足りない」

となると、軽くパニックになります。

全く同じ色を作るのは難しいのです。


微々たる分量で

色味が変わってしまうのです。


印刷所では、増刷など再度印刷がかけられる時の為に

手がけた本の特色カラー配合メモが

ずっと記録してありました。

ちょっと昔のを見てみたら

「ピンポン1個半」

って書いてあるものが。

どうも職人さんがピンポン玉で量を表していたみたいです。

これはわからんだろう・・・。

最近のはちゃんとグラム表示になってました。


「おひるねけん」の見返しは
ほわーっとお昼寝している感じをだしたくて
Kさんこだわりの色になっています。
すぐどっちかに転びそうな、繊細な色合い。

この日は暑くて、インク練りも大変だったと思いますが
最後には綺麗ないい色に刷り上がりました。

職人技冴えわたる。

いやいや。

(次号、感動のまとめの回)


2013_08_17

| 11:00 |
印刷所へ見学に行ってきた・四の巻
 (文こばようこ)

5。

この日は印刷に必要な別の装置も見せてもらいました。


印刷機にかける「版」を作る機械、

その「版」を作る為に

原画をデータ化する機械(スキャナー)です。


大きなアルミの板に

僅かに厚みをもった画線が描いてあります。

その画線にインクが付いて紙に転写されるのです。

カラーの印刷には

CMYK4色分のアルミ板が必要です。

4色重なって初めて色鮮やかなカラーページが出来上がるのですね。


この「版」のアルミ板は

家庭用プリンタの巨大版のような機械で

プリントアウトするように作っていました。


工場の職人さん達はひょいひょい持っていたけど

これ、ちょっとでも傷がいったら使い物になりませんねー。

こわいこわい。


スキャナーは平面のもあったのですが

噂でかねがね聞いていた、ドラム式のをレポートします。


透明な筒状のものに

原稿を巻き付けて、テープでしっかり固定して

装置にかけます。


すると筒が超高速に回転します。

それを1ミリくらいのカメラレンズで読み取り

データ化していくらしいです。


実際印刷する用紙によって

スキャナのピントを変えるそうです。

技がキてます。


面がフラットでないと

ピントが合わず、ぼける箇所が出てくるそうですが

それも何度か撮って

合成するようです。

丁寧です。


私の描いた「おひるねけん」でも

一カ所、合成してくださってる部分があるのですよ。

行かなきゃ知らなかった事実です。

刊行されたら是非、見つけてみてください。


そういえば、ここで画質チェックをするのに

画面上の色を見るのではなく、

数値を見ていました。

モニターには、無骨な数字しか表示されていない。

おだが「へぇぇ」と感心していた所です。


作家さんが「ウチのモニターでみたら明るい赤だった」

と言っても

よそのモニターで見ると違ってるのです。

暗い赤になってるかもしれない。


だから画面上の色で確認はせず、数値で判断するんだそうです。

技のオンパレードですね。(まだ続く)


2013_08_16


↑お忙しいのに、ありがとうございました。

長年蓄積されていた「?」がスッキリです!

| 10:44 |
印刷所へ見学に行ってきた・参の巻

(文こばようこ)

4。

現場にもどりましょう。

轟音と共に、印刷機から排出された最後の試し刷り。

見本は2枚くらいでいいんだけど

インクがなじむまで数十枚出す。


用紙は両手を広げて持つくらい大きいです。

一枚に16ページ分のページが印刷されるからです。


それが、紙をセットした

遠く20Mくらい先から

超高速スピードで

印刷機の中を何度も通って

こっちにやってくる。

あっという間に束になる。


印刷機に連動している、大きな作業台に広げて

色の具合を見ます。

薄暗い工場の中で

ぽわっと照らされる作業台は

イメージ通りの印刷屋さんです。


作業台の手元には

なにやら沢山のゲージのような物があります。

そこでCMYKそれぞれの色を

操作するらしい。


編集Kさんが

前回オッケーをだした色校片手に

じっと見ています。


インクは気温、湿度によっても調子が違うので

色校と同じように印刷される訳ではありません。


それから、印刷所の人にいろいろ言い出しました。

「ここの、ここの所、M(マゼンタ)をちょっと抑えてもらえますか」

「このページはいいんですが、

 対になるページと空の色が合うかしら」


印刷所の人達といろいろ相談して

印刷所の人が沢山のゲージのボタンを操作します。


で、また轟音と共に

試し刷りが大量にでてきます。


で、また作業台集合をして

刷り直したうちの一枚を

Kさんが色校片手にじっと見るのです。


今度は私達も呼ばれました。

「どう思われますか〜?」


いや、どうもこうも。

私にはとても良く出てるようにしか見えないんですけど。

・・・強いて言えば、

ちょっと黄色っぽいか・・・な?? くらいです。


するとKさん

「そうですよねー。ここちょっとイエロー抑えてみてくれますか?」

印刷屋さん

「そうですねー、するとこの上に当たるページにも影響してきますねー」

Kさん

「こっちに影響きますよね。こばさんはどっちをおとりになりたいですか?」


・・・いや、どっちも綺麗な色でてると思います・・・。

・・・決められないので・・・お任せします・・・。


それから轟音→作業台集合を何度も繰り返し

ようやくKさんの「オッケーです」のお言葉が。

うやうやしく赤ペンで「OK」サインか書かれます。


試し刷りがこんな大仕事だと思ってなかった私は

「こんな感じで結構です。お手間おかけして本当にスイマセン」

と言いたいのですが

それが妥協ということになるのです。

それでは、いい本にならんのです。

私に編集の仕事は向きません。 
(続く)

2013_08_15

↑お土産でもらってきちゃった「帯」の部分。
製本所で裁断されて絵本に巻かれます。
なんかドル札印刷みたいです。
怪しい金持ちの気分を味わってみたりして。
| 10:20 |
印刷所へ見学に行ってきた・弐の巻
 (文こばようこ)

3。

話はもどりますが。

描いた絵を編集さんに手渡すと

しばらくして「色校でました!」と連絡が来ます。


色校とは。

絵に文章が載って

実際使用する紙に印刷された

試し刷りみたいなものです。


でも、色の具合は原画とぴったり同じになってません。

こっちは何十色もの絵の具で描いているので

4色で再現する印刷でぴったんこ合う訳ないのです。


で、その見本を元に

又、印刷所で色の調整をしてもらいます。

その段階までくると

相当近いとこまで色が再現されるのです。

私の絵の場合は、印刷の方が良かったりしますよ、

あ、これは自虐ですね。やめましょう。


編集さんが書いた色校正紙を覗いてみました。


写真撮っておけばよかった。

赤ペンで真っ赤です。

全ページ、全面、気になる部分に

細かい指示が書いてありました。


「ここ明るく」「ばっちりです」「Mおさえて」「気持ちC上げる」


これでは全くわからない。

でも次にあがってくる色校は

同じ絵をスキャンして印刷したものなのに

色味が加減されて

別のものみたいです。


私はこの工程を全て編集さん任せで来たので

へぇ、くらいにしか思ってなかったんです。


が、今回印刷所へ行って

どれだけ繊細に調整をしているのか知ったのでした。


2013_08_14

同じ絵なのですが、右と左で背景色が違うのがわかりますか?

色校の初校と再校です。

このように全てのページで調整を重ねます。

(続く)
| 17:44 |
印刷所へ見学に行ってきた・壱の巻

(文こばようこ)


1。

前々から熱望していた

印刷所工場見学へ行って参りました。

引率は教育画劇の編集Kさん。

お世話になったのは

瞬報社写真印刷(株)さんの東京工場です。


9月頭に刊行予定の「おひるねけん」の印刷でした。


とにかくですね、

「自分達の手がけた絵本が

 市場に出される本として印刷される。

 その妥協が一切無い作業工程を見る」

という体験は、

全ての見聞きしたものが

じわりじわりと身に染みまして

本当に贅沢なことでありました。


本に携わるなら、行かねばダメダメ!

なんて思ったわけです。



2。

はじめて印刷機を見たんですが

「なに? 列車?」と思うくらいに

長いしろものでした。


印刷は

シアン・マゼンタ・イエロー・クロ

のインクの粒々の重ねで

カラーを表現しているのですが〜。

(虫眼鏡で見てみよう〜)


インクの色ごとに印刷機があって

だからつまり

同じ形の、4色分のデカイ印刷機が沢山、

向こうの方まで

どん、どん、どん、と並んで居るわけです。


その印刷機の下を紙が高速で流れるようになっています。


一番端っこに紙を送る所

反対の端っこに印刷された紙を受ける所があります。


稼働する時は轟音がするので

あっちの人とこっちの人は

当然大声で合図しあってました。


使用する紙は何千枚単位。

職人さんたちの腕は

いい筋肉ついてました。


2013_08_13


・・・この絵を見て即・理解出来た方は

私と感性が近いのだと思います。ありがとうございます。

話は次回に続く。

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